・公務員と会社員との大きな違い
・公務員のメリット
・公務員のデメリット
公務員と会社員の大きな違い
やっぱり安定するから公務員の方がいいのかな?
だけどやっぱり何事にもメリットとデメリットはあるよね。
しかも、時代によってそのメリット、デメリットを見極めないといけないんだ。
なんとなくしか僕は分からないんだけれど…
時代によるっていうのも気になるな。
そうしたらまずは公務員と会社員との大きな違いから話していくね。
知っている人も多いかと思いますが、公務員と会社員の最も大きな違いは仕事の目的です。
結論からお話すると
まず、「公務員」は国民に奉仕する仕事をしていて、対価を目的としないサービスを行っています。
一方、「サラリーマン」はモノ・価値・サービスなどを提供してその対価を得て儲けることを目的としている仕事をします。
つまり、「公務員」と「サラリーマン」では仕事の目的が異なるということです。
それぞれについて少し詳しく説明していきます。
まずは公務員。
公務員の雇い主は国や地方自治体などであるため、給与は国民が払ういわゆる税金です。
利益を出すことを目的としているわけではないので、成果主義ではありません。
また、基本的には年功序列であるため、若い時の給与はあまり高くありませんが、年齢が高くなってくると自然に給与が上がっていきます。
それが世間一般でいう、「安定」という公務員が魅力的だと言われる点ですね。
また、公務員は夏と冬に確実にボーナスが支給されます。
そして、不況になった時でも急な減給などはほぼ起こりません。
また、公務員のやっている仕事は基本的にいらなくなることはないので、めったに解雇はされず、犯罪などをしない限りはある日突然職を失うということはあまりないでしょう。
ちなみに、これも有名ですが、公務員は副業が制限されています。
次に会社員
雇い主は民間企業です。
ちなみに、民間企業の最大の目的は、自分たちが利益をあげることです。
利益の追求のため、民間企業は常に競争にさらされているので業績を常に考えなければいけないんですね。
また、サラリーマンの給料は活動の対価として顧客からもらったお金が元手になっています。
そのため、会社の儲けが増えていけば給料は上がっていくでしょうし、儲けるのに失敗すれば減給されることもあるかもしれません。
例えば、企業の業績によってボーナスは支給されるので、高いボーナスを得られることもあれば、ボーナスが支給されないこともあります。
また、大企業や利益が出ている企業などは給与や福利厚生などの面で充実しており、公務員より好待遇のところも多くあります。
一方、待遇が公務員よりずっと悪い企業も多く、ピンキリだと言えるでしょう。
そして、企業は高い能力を持つ人を求めているため成果主義が強く、給料は業績に応じて決まってくることも多いんですね。
また、企業が求めている人材は、根本的には儲けられる人材です。
そのため、革新的思考の持ち主や仕事の効率が高い人や特殊スキルを持っている人などは大いに歓迎され、高い給与が支払われる場合も多いです。
一方、高い能力を持っていなかったり、仕事の効率が悪い人などは会社の業績が悪くなると解雇されることもあります。
公務員と会社員の大きな違いは「仕事の目的」である。また、給料の出所が大きく異なる為、収入の変動幅が異なる。
以上が公務員と会社員の大きな違いです。
公務員のメリット
じゃあ、やっぱり「安定」を求めるなら公務員の方がいいってことだよね?
ただ、そこは一概には言えなくなっているんだよね。
だから、やっぱり心配性な人や安定が欲しい人は公務員なら間違いないんじゃない?
その話をする前に公務員のメリット、とデメリットを理解しないといけないからまずは公務員のメリットを話していくね!!
結論からお話すると公務員は社会全体で「平均的に見ると厚遇されています」
これは雇い主、ここでは国や地方公共団体側の立場で考えると分かるのですが、国や地方公共団体としては皆さんに国や地方公共団体で働いてほしい、
すなわち、「公務員になってほしい」訳です。
働く人がいないと国や地方公共団体が機能しないので…
そう考えた時に一番バランスがいいのが「社会の平均より少し高い年収に調整し、福利厚生を手厚くする」なんです。
この年収は、民間企業より低くても、高過ぎてもダメです。
なぜなら、収入が低いと公務員を目指す人がいなくなり、高過ぎると国民の不満が爆発してしまうからです。
なぜ私達の税金で暮らしている公務員ばかりいい思いをしているのだと…
そう言われないように民間企業とも差別化を図っている訳ですね。
それらを踏まえた上で公務員のメリット分かりやすく大きく3つにまとめさせていただきます。
①景気に左右されない一定の収入がある
これは先もお話したように「成果主義」ではないという事と給料が国民の「税金」が給料になる訳なので一定の収入は確実にもらえます。
「成果主義」ではない公務員は昇給の基準を作るのが難しい為、年功序列といういわゆる「経験年数」で昇給していく仕組みになっています。
会社の業績、個人の能力に関係なく昇給していく仕組みなので民間企業よりも平均的な年収は高くなりますね。
下の図は平成30年度の平均年収の比較です。
確かにこの図だけ見れば公務員は社会的に厚遇されていると見ても良いと思います。
②福利厚生が大手企業並である
一言で大手企業と言っても色々あるので、一概には言えませんが、やはり公務員の魅力の一つと言えるのは「福利厚生」です。
社会全体で「ブラック企業」ということが問題になり、公務員でもそうならないように配慮しています。
要は、単純に離職率を下げたい目的もありますね。
また雇い主が国または地方公共団体で「利益は関係ない為」そういった「働く環境を良くしよう」という方針を取り入れやすいのも理由の一つです。
また、上の図でも確認できるように民間企業ではまだ男女で年収の差がありますが、公務員は男女の年収に差はありません。
なので女性にとっては収入面、福利厚生面で一定の民間企業と比較するかなり条件が良いのではないでしょうか。
退職金が民間企業よりも多いのも魅力と言われていますね。
③リストラの心配が少ない
ここも成果主義であったり、会社の業績に左右されない公務員はよっぽどのことがない限りクビ、リストラされることがありません。
なので、会社の業績とか収入の上がり下がりを気にする必要がない分、民間企業に勤めている方よりも平均的にはストレスは少ない方かもしれませんね。
公務員のメリット
①景気に左右されない一定の収入がある
②福利厚生が大手企業並である
③リストラの心配が少ない
公務員のデメリット
僕は特に取り柄もないし、公務員でそれなりの生活ができればいいかな。
でも、これはきちんと将来を考えて選択しないと後悔することになるよ?
それも踏まえて今度は公務員のデメリットを話していくね。
まず、初めに「公務員」=「安定」と言われたのはなぜだと思いますか?
これは単純にさっき「公務員」のメリットで言ってたようなことが「安定」じゃん。
そうなんですが、それだけでは不十分です。
これには絶対的な「前提」が欠落しています。
それは何か。
先に答えを言ってしまうとそれは「現在が不況だから」です。
会社員だと景気によって給料が上がったり、下がったりすることもありますが、公務員は利益を求める仕事ではない為、景気に左右されません。
それ故に景気が良いと会社員の給料が高くなる為、公務員のよりも稼ぐ人が増えます。
その結果、公務員の給料は低いという認識になり、「こんな景気の良い時代にその恩恵を受けられない公務員はもったいない」という認識になる訳です。
バブル期がまさにその代表例ですね。
バブル期をきっかけに現在も裕福な暮らしをしている会社員の方は多いと思いますが、
バブル期に公務員をしていてその恩恵を受けてお金持ちになっている方はほとんどいないのではないでしょうか?
なぜなら、公務員の給料がいい意味でも悪い意味でも「変わらない」からです。
上の図を見ていただきたいのですが、バブル景気と呼ばれている期間は1986年~1991年と言われています。
上の図で見ると「近年で最も収入が高かった時期の始まりの時期」ですね。
図を見ると「今より年収で平均50万円~60万円高かった」訳です。
この数字だけ見ると「バブル期って言ってもそんな大したことないじゃん」とも思えるのですが、
「この時代の物価、消費税等の税金」のみ考えただけでも実際の状況はかなり変わってきます。
ちなみに消費税が導入されたのは1989年からです。
物価の変動についてはこちら。
時期は少しずれていますが、分かりやすいのでこの図で説明させていただくと、
だいたい現代の物価はバブル期と比較すると1.2倍~1.7倍になっていることが分かりますね。
これらをふまえて実際の例で考えてみたいと思います。
よりその差を感じていただきたいので今回は人生で最も大きな買い物とも言える「家」を例にしたいと思います。
今回は分かりやすくするために「消費税」と「物価」のみを考慮し、考えます。
まずは現在の例。
4000万円の価値がある家を買うとします。
現在であれば物価はそのままで単純に消費税10%なので4400万円ですね。
続いて1989年以前に同じ価値の家を買おうとするとどうなるのか。
まず、消費税はまだ導入されていないので買う際に消費税はかからずに4000万円
物価の上昇率は先程お伝えした図の値上がり率の最小値である1.2倍で仮定してみます。
1.2倍で4000万円なので、4000万円÷1.2=3333万円
つまり、単純計算ではありますが、
今現在、4400万円で買える家は、バブル景気時代では3333万円で買える訳です。
その差1000万円。笑
これまでの話で何を伝えたいかというと先ほど挙げた例が「公務員」=「安定」ではないことが分かる顕著な例だということです。
なぜなら、もしこのバブル景気時代に公務員ではなく会社員であり、景気の恩恵を受けていたのならそれだけでも「かなりの資産を作ることができてた」からです。
要は「公務員」=「安定」なのは「ここ数年が不景気であるが為に、不景気がこれから先も続くことを想定した場合の安定」であり、この先数十年、不景気が続くと仮定した思い込みなんです。
公務員の給料は社会の景気によって「高くもなり」「安くもなる」為、
会社員に比べるとその振り幅が少ないないだけで一概に「安定」とは言えない。
なので「給料に振り幅がない」=「安定」というイメージになったんですね。
しかし、時代の変化に伴い、「公務員」=「安定」とも言えない時代がきています。
なぜなら、今まではそんな変化の少ない公務員の給料でも、退職金や年金があることでそこまで貯蓄を意識していなくてもある程度の生活が保証されていたのです。
しかし、少子高齢化に伴い、「年金」があてにできなくなりました。
「年金問題」で退職金が減ったり、公務員の給料に影響することも考えられるかもしれません。
よってそれに備えて「貯蓄額を増やす」など将来に向けた準備もさらにしていかなければいけません。
要は「公務員だけの収入で老後の資金を貯める」にはかなり厳しい状況にあるかもしれないということです。
この不安は公務員のデメリットを際立たせることになります。
それらを踏まえた上で次は公務員のデメリット分かりやすく大きく3つにまとめさせていただきます。
①「副業の制限」
ここまでの話をふまえるとこれが公務員最大のデメリットと言えるのではないでしょうか。
なぜ、「副業の制限」がデメリットになるのか。
先程もお伝えしたように「年金」があてにならなくなった今、将来の為に何かしらの方法で「貯蓄」を貯めないといけないのですが、副業ができない公務員はその方法がかなり限定されてしまいます。
これだけダブルワーカーが増えている時代にその選択肢がない公務員は致命的な欠点であり、デメリットと言えるのではないでしょうか?
公務員のデメリットによって今後どんな不利益があるのか詳しくは別記事で紹介していますのでそちらも参考にして下さい。
②頑張っても給料が上がらない
副業に制限のある公務員ですが、そのデメリットをさらに大きなデメリットにしてしまっているのが「給与」形態です。
どんなに頑張っても、頑張らなくても給料は経験年数で決まってしまいます。
「これが公務員のメリットでしょ!!」と思われている方も多いのですが、
それは将来的に公務員が収入のみで作る貯蓄と「年金」があることである程度の生活が保証されていたからです。
公務員の給料は逆の見方をすれば、数十年後もある程度は予測ができる。
ということは、どんなに頑張っても貯蓄できる額の限度が既に決まってしまっているということです。
今までならこのまま何もせず、公務員のみを続けていてもある程度の貯蓄ができ、退職金、年金を加えて、ある程度の水準で生活ができていたのに、
これからは公務員のみ収入でさらに多くの貯蓄を作らなければならなくなった。
つまり、自分の生活で使うお金を削ることや投資などの資産運用をしなければ、
不安のない老後生活を送るのに十分な貯蓄を作ることができないかもしれない時代になったということです。
ということは外食を控えたり、旅行に行けなかったり、欲しい物をさらに我慢しなくてはいけなくなる訳です。
または、資産運用をしていくことも必要かと思います。
今までは「安定」がメリットであったとしても、今後は「デメリットになりえる」ことを理解しておかなければいけません。
③スキルが身に付かない
公務員の仕事は一般企業のものと違い、営業のスキルがつくわけでもパソコンのスキルが身に付くわけでもありません。
なぜならその仕事内容における前提が大きく違い、
その大きな理由は初めに説明したように「利益を求めるもの」ではないからです。
会社は「モノ・価値・サービスなどを提供してその対価を得て儲けることを目的としている」
しかも「他社といつも競争しなくてはいけない」
その結果、会社の立場からしてみれば「会社に利益をもたらす人材」がほしい訳です。
ということは必然的に英語ができる、パソコンができる、営業実績がある、
要はスキルを持っていたり、スキルが高い人を求めることになります。
例えスキルを持っていなかったとしても、会社の中でそうしたスキルを持つ人を育成しようとも考えるでしょう。
なので、営業成績がよかったらボーナスを増やしたり、この資格を持っていれば給与を上げるなども当たり前にある訳です。
反対に「公務員」は国民に奉仕する仕事をしていて、対価を目的としないサービスを行っています。
「奉仕」することになるので公務員に求められるのは「スキル」よりも「誠実さ」や「確実さ」になります。
さらに、利益を求めていないので、その仕事内容もほとんど変化しなかっせず、向上心よりも同じ仕事を「誠実にこなす」という方が求められます。
ということはいくら公務員が普段の仕事を頑張ったとしても、
仕事を早くこなせるようになるくらいでその他のスキルは身に付かないのが必然です。
まとめ
公務員と会社員の大きな違いは
「公務員」は国民に奉仕する仕事をしていて、対価を目的としないサービスを行っているが、
「会社員」はモノ・価値・サービスなどを提供してその対価を得て儲けることを目的としている仕事をしている。
その結果、給料の出所が大きく異なる為、収入の変動幅が異なる。
でした。
そんな中、公務員のメリットを3つあげると
①景気に左右されない一定の収入がある
②福利厚生が大手企業並である
③リストラの心配が少ない
また、デメリットを3つあげると
①副業が制限されている
②頑張っても給料が上がらない
③スキルが身に付かない
ポイントとして
公務員の給料は社会の景気によって「高くもなり」「安くもなる」為、会社員に比べるとその振り幅が少ないないだけで一概に「安定」とは言えない。
結論、確かに一般的な会社員よりも福利厚生などが「厚遇」されており、比較的には「安定」しているように思えますが、
長い目で見ると「副業が制限されているデメリット」をなどを考え、これまでの時代とは違い、必ずしも「安定」とは言えなくなっている。
時代の変化を予測し、本当に公務員が「安定」なのかをよく考えなければ、
ただ公務員だけを続けていことで将来苦労する可能性も大いにある。
これらをよく考えた上で、生活していく必要があるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは( ^ω^ )